面接試験対策

  最終的な合否の決め手となるのは、言うまでもなく面接試験です。複数回の面接を行う自治体も少なくありません。面接対策にはじっくり時間をかけて臨む必要があります。ここでは想定される主要な質問項目と答え方のポイントをごくごく簡単にまとめておきましょう。

◆民間から公務員を目指す理由◆
 受験決意に至るまでのストーリー・経緯を語るのが一般的。基本的にそういうとらえ方でよいのですが、「いきさつ」「きっかけ」だけで終わってしまうことがないように気をつけなくてはなりません。
①自分の考える「公務員の仕事の魅力・やりがい」(公務員ならではの仕事の魅力)の中身を明確に示す
②(そのうえで)自分のキャリアや経験を公務員として活かせることへの確信・自負を示す
 この2点を押さえたスピーチにしてください。

◆その自治体をとくに志望する理由◆
 多くの場合、ただ「公務員を志望する理由」だけではなく、「**市職員を志望した理由」を語るよう(あるいは記述するよう)求められます。 自分が生まれ育った場所・長く暮らした場所・家族(配偶者など)とゆかりの深い場所などであれば話しやすいでしょうが、そうでないケースが大半。また、当該自治体に何らかの縁があったとしても、それだけでは志望理由としては不十分です。その自治体の歴史・文化・施策・将来性などをきちんと調べたうえで、自分自身の能力を活かして貢献したいという熱い気持ちを訴えることになります。
 「他の自治体と併願しているのか」を問われることも多いのですが、答え方は事前にきちんと決めておいてください。「私が志望するのはここだけ」という線で押し通すのならそうすればよいのですが、なぜ他を受ける気がないのか説明できなくてはなりません。一方、他の併願先を1~2個挙げるつもりなら、当該自治体が第一志望である理由をどう述べるか、事前に詰めておかねばなりません。

◆自己PR/これまでの職務経験での実績(成果、学んだこと)◆
 「アピールポイント」「実績」「成果」「学んだこと」の中身は相手方の印象に残るキーワード(キャッチフレーズ)のかたちで提示するようにしてください。(だらだら述べると焦点が定まらなくなります。)当然のことですが、地方公務員としてその能力をこのように活かしていくのだ、というステージまできっちり語りきるようにしなくてはなりません。
 また、「アピールポイント」を挙げる以上、「それを裏付ける具体的な実績・経験」がつねに求められますから、そちらもあわせて準備しておいてくださいね。

◆新卒時の就職、これまでの転職に関して◆
 転職回数が多めだったり、新卒時に初めて勤務した業種が大学時代の専攻とかけ離れていたりするとそのあたりの経緯、事情を徹底的に問い詰められることを覚悟しなくてはなりません。ちょっとやばそうだな……と思われる方は、どう説明するか、事前にじっくり考えておいてください。

◆組織人としての対応能力◆
 具体的には「チームを率いる心構え」「若手職員を指導するコツ」「上司や部下とうまくいかないときにどう対処するのか」といった質問です。とくに30代以上、ある程度年齢が高い受験者にはこうした質問に対し、「臨場感に富む答え」が強く期待されます。これまでの職務経験を素材に何をどう語れるかをしっかり考えておいてください。基本的には組織人として「バランスの取れた判断、行動」ができることを明確に示す必要があります。

◆入庁後、どの部署でどのような仕事をしたいか◆
 自分がぜひ取り組みたいテーマがあったとしてもそれだけを前面に押し出すと「それしかやりたくないのか」という反応を招くことがあります。バランスのとれた訴え方を工夫してみるべきでしょう。また、この変形で「希望の部署に配属されなかったらどうなのか」といった類の質問もわりとよくあります。下手な答え方をするとまずいので、どう答えるかはきちんと考えておいてください。

※面接試験に臨むうえで前提となる視点については、監修者ブログの記事(「面接試験対策」などのカテゴリ)でも多く扱っておりますのでお読みいただけると幸いです。