川崎市・経験者採用試験

【2023年の実施内容】
1次試験:10/15(日) 申込期間:7/19~8/15
・受験資格:多くの区分でS38.4.2~H6.4.1生まれ 直近7年で5年以上の職務経験 または 直近7年で2年以上の国際貢献活動経験など
・1次試験:教養試験(120分40問)
※2次試験として評価される経験小論文(1000~1200字/80分)も1次試験会場で実施。
※行政事務区分では教養試験で一定の成績の人を対象に1次試験として面談試験(11/5)を実施。
・2次試験:個別面接(11/25・26のいずれか)

<試験の特色・対策>
 経験者(行政事務)の最終合格者数は2007年まで毎年10人前後であったが、2008~09年には年2回に分けて採用試験を実施、「行政事務」区分だけでもそれぞれ87人、47人という大量の合格者を出した。それ以後の合格者数はおおむね各年10~20名程度で推移してきたが、2021年には行政事務でイレギュラーな春日程の採用試験が実施され、例年の秋日程での試験と合わせて合格者は50名を超えた。ただ、2022以降は年1回の実施に戻っている。
 2016年に受験資格が拡大され、「直近7年中5年以上の職務経験」の他に「直近7年で2年以上の国際貢献活動」も加えられた。
 2017年には行政事務区分の1次試験において新たに面談試験(2対1、20分程度)が導入されている。

*教養試験は120分で40問。レベルについては受験案内に「大学卒業程度」と記されている。哲学・文学・芸術・国語は出題されない。
 「行政事務」で受ける場合は、受験者数/1次合格者数の倍率が高く(10倍以上になることも多い)、1次通過のハードルが非常に高いのが特徴。2017年からは「行政事務」区分の1次試験に面談試験が追加されたが、たとえば2022年度試験では教養試験の受験者311名のうち面談の対象者となったのはわずか69名にとどまる。(1次合格者は45名)。教養試験で可能な限り高得点を狙っていかないと次に進めないという点は以前と変わりない。

*経験小論文は80分で1000~1200字。過去の出題は以下の通り。
・2022年:「川崎市では、「SDGs未来都市」として、SDGs(持続可能な加発目標)によるまちづくりを進めています。誰一人取り残さない、持続可能な社会の実現に向けて、活用できるあなたの職務経験を、具体的な事例を挙げたうえで、事実に即して述べるとともに、その職務経験を活かし、あなたがどのように川崎市に貢献できるのか、併せて述べてください。」
・2021年(秋):「川崎市では現在「川崎市総合計画第3期実施計画」の策定を進めています。実施計画の策定にあたり、「将来を見据えて乗り越えなければならない課題」の整理を行っているところですが、あなたが考える、川崎市が「将来を見据えて乗り越えなければならない課題」を1つ挙げた上で、その課題を解決するために、あなたのこれまでの職務経験をどのように活用できるか、あなたのこれまでの具体的な仕事ぶりや組織の中でどのような役割を果たしてきたかが伝わるように述べるとともに、課題解決策について併せて述べてください。」
・2021年(春):「あなたにとって身近な自治体(居住地、勤務地がある自治体等)について、あなたが感じている課題を1つ挙げた上で、その課題を解決するために、あなたこれまで の職務経験をどのように活用できるか、あなたのこれまでの具体的な仕事ぶりや組織の中でどのような役割を果たしてきたかが伝わるように述べるとともに、課題解決策について併せて述べてください。」
・2020年:「川崎市では、誰もが個人としての自立と尊厳を保ちながら、住み慣れた地域や自らが望む場で、安心してすこやかに生き生きと暮らせるまちづくりを進めています。このまちづくりを推進するうえで、活用できるあなたの職務経験を、具体的な事例を挙げたうえで、事実に即して述べるとともに、その職務経験を活かし、あなたがどのように川崎市に貢献できるのかを、併せて述べてください。」
・2019年:「川崎市では、東京オリンピック・パラリンピック競技大会という好機を活用して、「人々の意識や社会環境のバリアを取り除き誰もが社会参加できる環境を創出すること」を理念とする『かわさきパラムーブメント』を推進し、さまざまな政策分野において関連する取組を展開しています。この流れを推進するうえで、あなたが有用だと思うあなた自身の職務経験を事実に即して述べるとともに、職務で培った経験を活かし、あなたが川崎市においてどのような役割を果たすことができるのかについて併せて述べてください。」
・2018年:「民間企業等での平成23年8月以降の職務経験のなかで、あなた自身がどのような課題に挑戦し、あなたが組織の中でどのような役割を果たしてきたかについて、事実に即して述べるとともに、「全ては市民のために」という考えのもと、あなたが、その経験を川崎市においてどのように活かすことができるかについて併せて述べてください。」
・2017年:「全国的に「働き方改革」に係る取り組みが求められており、川崎市としても、同取り組みとともに仕事の進め方においても一層の業務改革・改善を推進しているところです。そこで、あなたの民間企業等での職務経験において、どのような困難を克服し、その困難を克服するうえで、どのような役割を果たしてきたかについて述べるとともに、「150万人都市川崎をより良くすること」と「業務改革・改善」の両立について、あなたの考えを併せて述べてください。」
・2016年:「平成28年3月に策定した「川崎市人材育成基本方針」には、「『全ては市民のために』という考えのもと、職員全員が、行政のプロフェッショナルとして、いきいきと仕事に取り組み、未来に向けてチャレンジしている」という市職員のあるべき姿(人材ビジョン)が掲げられています。そこで、あなたは民間企業等での職務経験において、「どのような視点と目線で、仕事に取り組んできたか」、「いかなるプロフェッショナル性を発揮してきたか」、「いきいきと仕事に取り組むための原動力はなんであったのか」について、あなたの具体的な仕事ぶりや個性が伝わるように述べるとともに、「川崎をもっと住みやすいまちにするために、また、あなた自身の自己実現を図るために、本市職員として、どのようなチャレンジをしていきたいか」について、併せて述べてください。」
・2015年:「本市では、職員一人ひとりが、コスト意識や危機意識を持ち、市民目線で日々の業務改善に努める「3D改革」(「だれもが」・「どこでも」・「できることから」の改革)を推進しています。そこで、あなたは、これまでの職務において、どのような課題を解決するために、どのように業務改善を行ってきたかを具体的に説明してください。また、その経験を本市職員としてどのように活用できると考えるか述べてください。」
・2014年:「本市では、限られた財源と資源を最大限に活かし、効率的かつ効果的な行政運営を行い、厳しい経済的状況のなかでも、市民の安全と安心を守り、安定した行政サービスを提供できるよう努力しています。これらのことを前提にして、あなたが今までに得た知識や経験を、具体的な例を挙げて、本市にどのように貢献していくことができるか述べなさい。」
・2013年:「川崎市職員採用試験を受験するにあたり、あなたがどのようなキャリアプランを描いて転職を決心したかを述べるとともに、(1)あなたが川崎市でしかできないこととは何か、(2)それを実現するために、これまでの職務経験をどのように活かしたいかについて、それぞれ具体的に述べてください。」
・2012年:「川崎市では、平成24年3月に「第3次川崎市人材育成基本計画」を策定し、市民に信頼される自治体をつくるため、職員の人材育成を実施しています。この計画において、めざす職員像として、「市民志向」「課題解決」「自己実現」の3点を提示し、職員が主体的にその像に近づくための取組を推進しています。そこで、あなたが民間企業等において、どのように目標を掲げ、どのような職員(社員)をめざして職務遂行してきたのか、また、そのためのどのような努力を行ってきたのかについて、具体的な事例を挙げて述べるとともに、その経験を本市職員としてどのように活用できるかについて述べなさい。」

 論文テーマは年によって相違するが、川崎市が現に進める施策や取り組みにからめて出題されることが多い。「川崎市総合計画」やその「実行計画」などにもきちんと目を通しておきたい。(市のウェブサイトに公開されている。)

*川崎市の2次試験では「集団討論」「面接」を同じ日に実施し、最終合格者を決定するのが長らく通例だったが、2020年以降、集団討論は新型コロナウイルス感染症の影響もあって廃止。ただ、今後、集団討論が再開される可能性もゼロではないと思われるので、いちおう留意しておくとよいかも。(集団討論に関する最低限の心得については本サイトの当該ページも参照のこと。)ちなみに以前の討論テーマを調べると、そのときどきの時事・政策に関わるものが多い。

≪実施結果≫
年度 区分(予定数) 申込者数 受験者数 1次合格 最終合格
2022 行政事務(10) 571 362 41 23
社会福祉(10) 41 28 28 14
心理(5) 11 7 7 6
土木(5) 22 15 13 7
電気(5) 19 8 8 5
機械(5) 32 20 18 6
建築(5) 14 6 5 3
薬剤師(若干名) 6 6 6 4
保健師(若干名) 11 8 7 4
2021秋 行政事務(10) 535 350 41 11
社会福祉(15) 42 37 36 19
土木(5) 18 12 11 2
電気(10) 15 11 11 7
機械(5) 23 17 15 7
建築(若干) 15 11 11 5
薬剤師(5) 12 8 8 3
2021春 行政事務(20) 400 303 74 43
2020 行政事務(20) 654 465 41 12
社会福祉(15) 49 40 36 13
土木(10) 21 16 14 8
電気(5) 17 12 10 5
機械(5) 21 19 17 7
建築(若干) 18 12 10 4
2019 行政事務(15) 723 419 43 24
社会福祉(15) 51 38 31 13
土木(5) 36 22 21 9
電気(5) 22 15 13 10
機械(5) 33 22 16 5
建築(5) 16 13 10 5
2018 行政事務(15) 719 500 55 25
社会福祉(5) 62 51 34 13
土木(5) 36 24 19 7
電気(若干) 25 20 13 4
機械(若干) 33 27 15 10
建築(若干) 16 13 8 3
2017 行政事務(10) 759 540 42 18
社会福祉(10) 77 69 36 11
土木(5) 36 28 22 12
電気(若干) 33 25 15 6
機械(若干) 35 28 16 8
建築(若干) 20 13 9 2
2016 行政事務(5) 669 480 46 10
社会福祉(10) 57 48 36 14
土木(10) 36 30 24 7
電気(10) 23 18 14 7
機械(10) 27 21 14 6
建築(若干) 19 15 8 2
2015 行政事務(5) 768 558 45 11
社会福祉(10) 58 45 33 12
土木(5) 55 39 20 5
電気(10) 37 27 23 7
機械(10) 40 32 25 10
建築(若干) 25 22 10 2
2014 行政事務(10) 915 684 40 8
社会福祉(若干) 77 63 21 3
土木(10) 94 73 29 8
電気(若干) 42 36 17 3
建築(若干) 40 30 17 1
2013 行政事務(5) 875 594 44 19
社会福祉(若干) 53 43 22 9
土木(若干) 81 52 23 9
電気(10) 60 46 24 6
機械(5) 41 36 20 5
建築(若干) 40 28 24 10
2012 行政事務(5) 1213 812 30 5
土木(5) 146 100 33 8
機械(若干) 47 38 22 13
建築(若干) 58 43 20 6
2011 行政事務(10) 1430 1025 43 7
社会福祉(10) 122 110 32 7
土木(5) 165 118 33 12
建築(若干) 63 46 21 3
2010
2回目
行政事務(5) 1391 1033 77 10
社会福祉(10) 107 85 22 8
建築(若干) 81 61 30 10
2010
1回目
土木(5) 139 112 18 8
電気(5) 80 58 17 8
機械(5) 72 53 19 12
2009
2回目
行政事務(15) 975 763 44 29
社会福祉(15) 55 48 44 32
土木(10) 120 102 33 27
建築(5) 74 66 22 6
2009
1回目
行政事務 988 756 33 18
電気 39 36 20 11
機械 48 43 22 13
土木 79 48 40 24
建築 43 19 17 12
2008
2回目
行政事務 741 566 75 46
社会福祉 91 77 32 22
土木 124 96 33 22
建築 41 32 22 13
2008
1回目
行政事務 348 55 41
2007 行政事務 297 24 11
社会福祉 20 12 7
土木 53 11 5
建築 7 7 4